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PASPY交通系ICカード
広島では、広島県内のJRを除く交通機関で使用できるICカード「PASPY」を2008年にサービスを開始し、広島電鉄やアストラムライン、各種路線バスなどで利用されています。
それ以前はPASPYのエリアでは、PASPY以外のカードはJR西日本が発行する「ICOCA」のみ使用可能となっていましたが、ICOCAを含む「交通系ICカード全国相互利用サービス」のカードが2017年度末から利用できるようになっています。
【中国新聞】:広島県内のIC乗車券11種に拡充
上記国土交通省の資料にある、「地域独自カードの導入状況」を見ると、PASPYは他地区に比べて圧倒的に多い30社が導入しています。
PASPY 利用可能路線一覧
事業者名 利用可能路線【2023年3月現在】
広島電鉄 (電車・バス) 全路線 (広島松江線・広島米子線を除く)
広島バス 全路線
広島交通 全路線 (高速バス(福山・平成大学・尾道・因島・甲奴)を除く)
芸陽バス 全路線 (海風バスを除く)
備北交通 高速広島線 (東城・庄原・三次~広島)、庄原・東城・三次・安芸高田市南部線
中国JRバス 広島市内~高陽A団地方面、広島市内~可部・鈴張・千代田・大朝方面、西条~黒瀬~呉方面、広島大学線、グリーンフェニックス (広島~広島大学)、空港リムジン、クレアライン (広島~呉)、いさりび (広島〜浜田)、めいぷるーぷ (広島市内循環バス)、のんバス (西条市街地循環バス)
鞆鉄道 全路線・空港リムジン (高速バス・定期観光バスを除く)
中国バス 全路線・空港リムジン (高速バスは除く)
広島高速交通 (アストラムライン) 全線
HD西広島 (ボン・バス) 全路線
広交観光 井原線
井笠バスカンパニー 福山~国道~中国中央病院線、福山~宮の前線、福山~春日池~伊勢丘三丁目線、福山~東深津~坪生線、東部循環線、まわローズ (福山市中心部循環バス)
フォーブル 全路線 (筒瀬線を除く)
宮島松大汽船 宮島口~宮島航路
JR西日本宮島フェリー 宮島口~宮島航路
広島観光開発 (宮島ロープウェー) 宮島ロープウェー
瀬戸内産交 沖友天満宮~中国労災病院、広川尻線
さんようバス 沖友天満宮~呉駅~広島バスセンター
なべタクシー 音戸さざなみ線、田原藤の脇線
富士交通 横路交叉点循環線、白石白岳交叉点循環線、仁方小須磨線、安浦地区生活バス、三条二河宝町線
野呂山タクシー 広長浜線
朝日交通 昭和循環線北コース、中央コース、南コース、阿戸線
東和交通 見晴町線、呉苗代下条線、北原神山峠線
呉交通 阿賀音戸の瀬戸線
倉橋交通 大向・重生線、鹿島線、大迫線
いわくにバス 全路線
君田交通 川の駅三次線
江田島バス 全路線
廿日市交通 さくらバス佐方ルート、原ルート
廿日市カープタクシー さくらバス西循環、宮内ルート
PASPYの色を見てもお分かりの通り、カードの発行は8つもの事業者が別々に発行し、
その事業者が発行したカードでないと定期券にすることができないといった制約もあります。
参画事業者が多いほど、10カードへの対応といったような大規模な変更を進めにくかったという背景もありそうです。(発行終了した3カード↓ ↓ ↓)
10カードに対応後、全国相互利用ICカードによるPASPYエリアでの利用は可能ですが、逆にPASPYカードでそれ以外の地区の交通を利用することはできません。(片利用)
広島電鉄の新システム
広電によると、PASPY運賃計算ができる車載器やサーバーの7、8年ごとの更新費用が約40億円以上かかる上、広電が負担する金額が約半分に及ぶという。コロナ禍などで各社の経営状況も厳しいなか、協議会は「PASPY(パスピー)」のサービスが2025年3月までに終了すると発表しました。
新システム「モビリーデイズ」の概要
新システムは、スマホやパソコンからの会員登録でIDをクレジットカードなどとひもづけし、スマートフォンに表示するQRコードか、新たなICカードを車載器にかざして運賃を支払う。車載器はIDを読み取るのみで無線通信でつながるクラウドサーバーが運賃計算する。現金での支払いもできる。パスピーではICOCA(イコカ)など他のカードも使えたが、新システムで使えるかは未定ということでしたが、2024年2月7日にバス会社3社とともにICOCAを導入する予定と発表がありました。➡日経記事
「広島バス」「広島交通」「中国ジェイアールバス」の3社は、 サービスの開始は、PASPY終了後の来年3月末からで、現在PASPYが使える路線で使えるようになり、バスの定期券としても使用できるということです。ただし、広島電鉄の場合、ICOCAは定期券としては使えず、チャージのみ。「モビリーデイズ」では、定期券としても使えるようにするということです。が、広島バスなどの3社は、広電の「モビリーデイズ」の導入については、方針を明らかにしておらず、「引き続き検討する」としています。
QRコードで乗車はこれから?
交通系ICカードは前掲の10社カードが使えることが一番良いことで、独自カードを発行していた伊予鉄「ICい~カード」ですが、
2024年3月より伊予鉄道の市内電車および伊予鉄バスの松山空港リムジンバスに、Suica、ICOCAなど全国10種類の全国交通系ICカードを導入する予定で利便性が大きく向上すると思われます。
広島電鉄の新システム「モビリーデイズ」は、QRコード決済での乗車がメインとしてICOCAでも乗れるように後付けしているようです。
南海電車や福岡市交通局などから始まったタッチ決済での乗車は、東急など首都圏でもジワジワと広がってはいますが、メインはICカードで一部改札機でタッチ決済に対応するというものです。
QRコードによるタッチ決済をメインとする交通事業者は、広島電鉄が初となるのですが、Iバス会社など地域全体で使える仕様にならなければ改悪と言われても仕方ない気がします。
あと1年余りでスタートする「モビリーデイズ」に、今後も注目していきたいです。
現地では色々と問題が出ているようで、iPhone対応は間に合わないのでは?↓ ↓ ↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/11149ee7614835b7a9848ecae703759461baa7dc
参考記事
タッチ決済の記事 ご参照ください。↓ ↓ ↓
中国地方初!「広島空港リムジンバス」にタッチ決済を導入
https://www.hiroden.co.jp/topics/2023/pdf/0327-airportcredit/press.pdf
熊本の記事もご参照ください。↓ ↓ ↓