こんにちは! 電子決済.comです。
2018年9月4日のニュースでJapan Taxiが開発したマルチ決済タブレットの記事が掲載されていました。
NTTDocomoとの提携などで実現したそうですが、その中身を確認してみましょう。
交通系ICや電子マネーでも料金決済できるタブレット、Japan Taxiが開発 2020年までに5万台配備 (by Response)
日本最大のタクシー配車アプリ「全国タクシー」を展開するJapanTaxiは、交通系ICや電子マネーでタクシー料金を決済できるマルチ端末「決済機付きタブレット」を独自開発し、9月から順次、全国展開する。
出典:Response記事より
2018年9月4日(火) 07時30分
交通系ICや電子マネーでタクシー料金を決済できるマルチ端末「決済機付きタブレット」の使用イメージ日本最大のタクシー配車アプリ「全国タクシー」を展開するJapanTaxiは、交通系ICや電子マネーでタクシー料金を決済できるマルチ端末「決済機付きタブレット」を独自開発し、9月から順次、全国展開する。
全国タクシーでは、スマホからタクシーを呼ぶことができるほか、事前登録したクレジットカードによるネット決済で到着前に支払い手続きが完了するサービスも提供。さらに、2017年にはタクシーの乗客に向けて広告配信するタブレットに、QRコード決済機能を搭載し、道や乗り場で乗車した際にも、到着前に支払い手続きが完了する「JapanTaxi Wallet」を都内でスタート、その後、全国展開している。
今回、従来の広告タブレットに、クレジットカード・交通系IC・電子マネーに対応する決済機を一体化させたタクシー業界初となる決済機付きタブレットを独自に開発した。
現金支払い以外では、乗客自身で好きな支払い方法を選択して決済する業界初のスタイルとなる。これによって乗客は、決済方法に縛られることなくタクシーに乗車できる。タクシー事業者にとっては、多様化する現金以外の決済手段に一つのタブレットで対応でき、乗務員は安全な運行に注力できる。
JapanTaxiでは、タクシーのキャッシュレス化を進めるため、決済機能付きタブレットを全国展開し、広告タブレットと決済機付きタブレットあわせて2020年までに全国合計5万台、タクシー車両4台に1台への搭載を目指す。
タクシーのキャッシュレスの歩みと電子POP
平成25年3月末現在国土交通省調べ・タクシーの総車両数は24万3,247台だそうです。
20年ほど前にタクシー車内よりクレジット決済を行う時、データセンターに通信する機能の不具合が生じた為、現金しか扱わないという不幸な時期がありました。
その後、クレジットカード番号を照会するシステムが改善されクレジット決済を搭載したタクシーが増え、電子マネーsuica決済なども普及してきました。
出典:日本交通HPより
その一方、デジタルサイネージとして広告だけを配信する電子POPが10年ほど前より設置されるようになりました。
後部座席から良く見える位置に、たんなる広告だけをダラダラ見せられてもあまりいい感じはしません。
出典:impacTV HPより
広告媒体として、JR東日本のトレインチャンネルなどと比較しても見る人の絶対数が少ない為このビジネスモデルは破綻する会社もあって順調には推移してこなかったと思われます。
今回のプレス記事を見ての感想
さて、今回の記事を見て何個かクリア出来た課題が頭に浮かんで来ました。
1)広告タブレットの改造
コマーシャル映像をただ放映させるいわゆる「電子POP」には、タッチパネルではなく通信もしていません。今回、マルチ決済を選んでもらうタブレットなのでタッチ出来る仕様になった。
2)通信機能
複数の決済が出来る背景には、それぞれの決済信用情報を照会するオーソリという処理が出来ているということです。イメージ的にはヤマトシステムズが展開する電子マネーの複数決済端末のような感じ。
ただ、お店に固定で置く端末と違って市中を走り回っているタクシーの中より信用情報照会をしなければならない為、このあたりの通信についてはNTTDocomoの協力無しでは完成しなかったのでは?
3)ウォレットアプリ
すでに日本交通では、都内と中心に到着前に支払い手続きが完了する「JapanTaxi Wallet」アプリをスタートさせています。
使える決済は、↓ ↓ ↓
ークレジットカード決済(VISA/Mastercard/AMERICAN EXPRESS/Diners Club/JCB)
ーApple Pay(iOS端末のみ)
ーGoogle Pay(Android端末のみ)
ーYahoo!ウォレット
「全国タクシー」アプリと車内助手席後部に搭載されているタブレットを使って決済するものですが、それを進化させたというものだと思われます。
恐らく、他のタクシー会社でQRコード決済を始めることは、お客様スマホがあればOKなのでハードル低いと思います。が、・・・
日本交通のようなマルチで決済出来るタブレットをタクシー車内に設置するというのはコスト的にも大変です。
(※suicaやPASMOが使えるバス料金収受箱にとりつけたリーダーライターは30万円/台かかったと聞いています。)
その点、広告配信用タブレットとマルチ決済を合体させたことで効率化になったようです。
それでもコストはかかる為1/4である5万台を2020年までにということになったのではないでしょうか?
一度、タクシーに乗車した際どれくらいの時間で処理できるのか?試してみたいですね。
日本人よりも外国人に大きなメリットが出るのではとも考えられます。